冬の大和屋料理
日本料理は、四季の風情を生かし目で楽しむ豊かな感性をご覧に入れる料理です。旬の食材を味わいながら、心細やかなおもてなしの手仕事が豊かに薫ります。四季の国の食文化の一端をご紹介いたしましょう。
あったか趣向とお正月料理

魯山人作灰釉四方皿
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造り「雪囲い 伊勢海老ぼたん造り」
草木を雪や霜の害から守るため藁やむしろ囲った雪囲を真似、冬の風物詩を演出しました。
針ピーマンの鮮やかな緑と、上に盛られた伊勢海老の洗いの柔らかな白が、日本料理の伝統的な美しさを感じさせます。
囲いの雪はパウダーシュガーです。

魯山人作志野菊座蓋糸目椀
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焚合せ「唐の芋穴子鞍掛け」
晩秋から冬が旬の唐の芋の一品種、海老芋を六方にむき、ヌカ湯がきし、だし8に味醂・淡口醤油・追いカツオしたつゆで1時間半~2時間かけて柔らかく煮ます。
腹開きにした穴子の皮目を霜降りにし、最初酒だけで沸騰するくらいに炊いた後、酒気を抜き、だし・味醂・塩・砂糖・淡口醤油を加えて味をととのえます。
柔らかくやさしい食感で、秋の深まりをほっと和ませます。

魯山人作黄瀬戸鍋
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鍋物「鯛かぶら」
鯛かぶらは関西の代表的な郷土料理。鯛の旨みが蕪にしみ込んだ、深い味わいです。
鯛の頭は梨割りにして5つに分け、塩を振って焼いた後、1時間ほど弱火で炊きます。櫛型に切って下茹でした近江蕪を加え、さらに1時間ほど蕪が煮崩れないように弱火で炊きます。
鯛の旨みが冷えた体に染み入る冬の味覚です。

黒田辰秋作溜塗大椀
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椀物「鰤のあんかけ」
寒鰤の持つ美味しさをじっくりと味わう旬のお料理です。
寒鰤の背を1.5cmに切り、強塩をして2時間ほどおき、霜降りにして鰤の臭みを取り、弱火で2時間ほど炊きます。
葛を引いて弱火で20分ほど炊き、おろし生姜をのせて、熱々をいただきます。

飛騨焜炉
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酢の物「焼き菱蟹」
柚子釜に菱蟹とあんこうの肝を入れて小鍋仕立てにした、柚子の香りの生きた冬ならではの酢の物です。
菱蟹は蒸して身を取り、あんこうの肝は血抜きをして湯がき霜降りにして、時雨煮風に薄味で炊きます。
柚子釜に菱蟹とあんこうの肝を盛り付け、コンロの上で温めながらいただきます。

永楽得全作獅子小皿
楽吉左衛門惺入作梅型向付
蝋色椿研出蒔絵煮物椀
溜塗鵬雲斎書附寿盆-
お正月の膳組み
先付はなますにいくらを盛ったもの。
造りは伊勢海老の洗い。
祝椀は小鯛の清汁です。
新年の膳にふさわしく寿盆にのせたお正月の膳組みです。

鶴蒔絵日の出椀
尼宗哲鶴蒔絵喰初め椀-
雑煮椀「紅白餅 紅白柚子真薯」
大阪のお正月の雑煮は、元旦が白味噌仕立て、2日目はあっさりした清汁にします。
白味噌仕立ての紅白柚子真薯は、柚子の表面を下ろして2つに切り分け、果肉を取って皮だけ湯がき、水に1日さらします。内側の筋をきれいに取って蒸し、水気を切って冷ましておいた柚子皮に紅白のしんじょうを詰め、蒸し上げます。
紅しんじょうは海老の叩き身とすり身を合わせ、塩と昆布だしで味をととのえます。白しんじょうは白身の魚の叩き身とすり身をあわせてつくります。
紅白の柚子釜を椀に盛り、だしで白味噌をといた汁をはります。清汁仕立ては、のし餅をやわらかく蒸し、一方に食紅を入れ練り上げます。
薄くのばした紅と白の餅を長方形に切って交互に重ね、中に鶉の挽肉を合わせ地でのばし、昆布だしで火を通した鶉丸を挟んで丸め、椀に盛り付け清汁をはります。

大和桐蒔絵蝋色内朱四重手提
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お重詰め「四段重」
重詰めは、四段重が正式とされています。
- 一の重 : 口取りの祝肴
伊勢海老・唐墨・ぼたん百合根・奉書包み田作り・小鯛塩焼・踊り諸子・烏賊の臘焼・数の子・松笠くわい・丸十絵馬・黒豆・笹巻うるか和え - 二の重: 焼物
鴨ロース・鰤の照り焼・海老養老煮・棒鱈・鰊昆布巻き・紅白蒲鉾・千社唐 - 三の重 : 煮物
鰻八幡巻き・菜種・子持ち若布・杏蜜煮・竹の子・栗きんとん・穴子月冠・鶏松風・梅芋・梅人参 - 四の重 : 酢物
さごしの生寿司・結び昆布・菊花蕪・鮭の燻製・叩き牛蒡・包みいくら・市松月冠・平目龍皮巻き・つく羽根
- 一の重 : 口取りの祝肴
画像の出典 : 柴田書店 『大和屋歳時』 より